3Dモデルだけでは足りない?2D図面化サービスで解決する課題

なぜ3Dの時代に2D図面が必要なのか?

ポンチ絵 図面化サービス 2D図面

3DCADの普及により、設計現場では立体的な3Dモデルが当たり前になりました。3Dモデルには多くの利点があります。設計者や関係者が直感的に形状を把握でき、部品間の干渉チェックや組み立てシミュレーション、重量計算や強度解析なども行えます。実機を作る前に動作や性能を確認でき、試作回数の削減や開発期間の短縮に直結するため、製造業では3D設計が主流となりつつあります。

しかし一方で、「製造」「検査」「契約」「指示伝達」といった場面では、今なお2D図面が必要とされています。図面は製造現場での正式な作業指示書として使われ、場合によっては契約や証明のための法的文書としての役割も果たしています。

なぜ3Dモデルがあるのに、2D図面が必要なのでしょうか?

2D図面が不可欠な理由

1. 寸法公差など精度情報の明確な伝達

現在のところ、3Dデータでは寸法そのものは測定できても、許容される誤差(公差)を明確に指示できません。どの程度の精度で製作すべきかは公差が判断材料となるため、精度保証には図面が不可欠です。

図面には形状だけでなく「正確な寸法」「公差」「表面仕上げ」「材質」「検査基準」など、品質に直結する情報がすべて盛り込まれており、製品を作るうえで必要な細部の指示を包括的に提供します。

2. 社内外での共通の参照資料として機能

図面は関係者間で設計意図を正確に伝えるための共通言語です。図面がなければ解釈のズレや寸法の読み違いが生じやすく、手戻りや品質不良の原因になります。

押印された図面は「この内容で製造してよい」という正式な契約書のような意味合いを持ち、サプライヤーとの認識合わせや社内での承認フローにも欠かせません。

つまり、3Dデータは形を伝え、図面は精度や品質を保証する指示書です。両者を適切に使い分けることで、設計から製造までの一貫した品質確保が可能になります。

3D→2D図面化サービスが解決する5つの課題

3Dモデルから2D図面を作成するサービスは、単なる図面作成代行ではありません。製造プロセス全体の円滑化や品質向上に貢献する、以下の「困りごと」を解決します。

1. 製造現場での誤解・ミスの削減

図面化することで、現場の作業者は製品の形状と寸法、公差を一目で確認できます。文章や口頭での指示だけでは伝わりにくい情報も、図面なら明確です。

図面という共通基盤があることで関係者間の認識ズレを防止でき、結果としてヒューマンエラーの低減と品質の安定化につながります。

2. 公差・寸法・仕上げなどの正確な指示

図面には各部の寸法値はもちろん、許容差(公差)や表面粗さ記号、ねじの仕様、処理方法など詳細な指示を記載可能です。3Dモデル上では曖昧になりがちなこれら製造上重要な情報を、図面化サービスなら専門知識に基づいて正確に描き込みます。

例えば「この穴位置の公差は±0.1mmで良いか?」「この面の仕上げはどの程度必要か?」といった点も、図面に明記されれば現場で迷いがなくなります。

3. 検査・品質管理に使える基準の提供

完成品の検査段階でも、何を基準に寸法を測るかを図面が示してくれます。図面には検査すべき重要寸法や公差が網羅されているため、検査担当者は図面をチェックシート代わりに製品寸法を測定できます。

適切な検査基準が盛り込まれた図面を用意しておけば、受入検査や社内検品もスムーズになり、品質保証に役立ちます。

4. 部品発注・見積もり取得の効率化

外注先に部品加工を依頼する際や見積もりを取る際にも、図面があると話が早くなります。サプライヤーは図面を見れば必要な加工精度や仕上げ、材質が一目瞭然なので、適切な工法を判断して正確な見積もりを出せます。

図面化サービスを活用すれば、発注先とのやり取りやコスト把握が円滑になります。

5. 社内・社外関係者とのコミュニケーション円滑化

図面という共通フォーマットがあれば、設計者・製造者・検査担当・発注先のすべてが同じ情報を共有できます。図面化サービスで作成した図面はJISやISOなど規格に則っており誰が見ても理解しやすいので、関係者間のコミュニケーションロスを減らし、結果的にプロジェクト全体のリードタイム短縮につながります。

アローズの図面化サービス:具体的な流れ

当社アローズでは、安心して図面化サービスをご利用いただけるよう、ご依頼から納品まで明確な手順を設けています。

Step 1: 依頼前の準備

対象となる3Dデータの種類や形式(STEP, IGES, Parasolid など)、単位系やスケールの統一、モデルの完全性チェックなど、事前に整えていただくとスムーズです。必要に応じて弊社からデータチェック方法をご案内します。

Step 2: 図面化範囲の確認

どの部分まで図面化するかを打ち合わせします。部品単体の図面なのか、組立図も含めるのか、必要な投影図や断面図、詳細図はどれかなど、製品の複雑さに応じて経験豊富なスタッフが適切な提案をいたします。

Step 3: 仕様の詳細確認

図面上に記入すべき寸法値や公差の指定方法、幾何公差(GD&T)の適用、表面粗さ記号や熱処理・塗装指示など、設計者の意図を詳しくヒアリングします。公差や仕上げの指示漏れがないよう、設計意図を余すところなく拾い上げます。

Step 4: 図面フォーマット・標準の指定

図面枠やタイトルブロックのレイアウト、フォントや寸法線スタイルの標準を決めます。自社フォーマットがある場合はテンプレートをご提供いただき、特に無ければJIS製図規格に準拠した弊社標準フォーマットを使用します。

Step 5: 納期・コスト見積もり

図面化する部品点数やビューの数、寸法記入の密度によって工数を算出し、納期と費用をお見積もりします。複数案件の同時依頼時にはボリュームディスカウントも検討可能です。

Step 6: 図面作成・納品

熟練CADオペレーターが3Dモデルから図面を作成し、社内でダブルチェック(検図)を実施。寸法の入力ミスや記号の付け忘れがないか確認してから、ご希望の形式で納品いたします。

品質確保のための重要なポイント

モデルの完全性確認

元となる3Dモデルに微小な隙間や干渉があると寸法値が狂う恐れがあります。事前にモデルの完全性チェックを推奨しており、不完全な場合は修正のご相談も承ります。

設計意図の反映漏れ防止

特に公差や表面処理、メモ的に伝えていた注意事項など、3Dモデル上では見えにくい情報もヒアリングを通じて洗い出し、図面に記載します。

規格に沿った製図

JISやISOの製図規格に準拠し、線種や線の太さ、寸法公差の表記方法などは規定通りに描画します。これにより図面解釈の世界共通化が図れ、海外の協力先に図面を出す場合も安心です。

アローズが選ばれる3つの理由

1. ワンストップ対応力

現物からの3D化〜2D図面化、必要に応じた部品加工まで対応可能です。古い機械の部品復元やスペアパーツ製作などもワンストップで対応いたします。

2. 充実した測定機器とデータ解析力

三次元測定機(CMM)や3Dスキャナーなど最新の計測装置を社内に備え、必要に応じて製品の形状や寸法を高精度に測定。CADモデルとの比較検証を行い、現物と図面とのズレを最小化します。

3. 豊富な実績と技術力

これまで6,000件以上の図面作成実績があり、自動車部品から産業装置、建築金物に至るまで様々な分野の図面化を手掛けてきました。お客様の「うちの図面」に寄り添った対応力が強みです。

まとめ:3Dと2Dの使い分けで、ものづくりを最適化

3Dデータと2D図面を上手に使い分けることで、デザインの意図を余すところなく伝え、ものづくりのプロセス全体を最適化できます。

アローズの「3D→2D図面化サービス」を利用すれば、製造現場の課題解決から実務的なサポートまでワンストップで得られます。製造業の設計者の方はもちろん、購買担当の方、試作メーカーやスタートアップ企業の皆様も、図面が必要になった際はぜひお気軽にご相談ください。

まずはお見積り・ご相談(無料)からでも承っております。アローズが貴社ものづくりを全力でサポートいたします!