・タンタルの特徴
タンタルは銀白色の光沢を持ち、特に酸に強い腐食耐性金属です。2996℃と融点が高い一方で、熱膨張係数が低いという性質があります。熱伝導性や導電性、柔軟性、延性などが高いのも特徴です。加工性と溶接性にも優れるため、幅広い用途で活用できる金属だといえるでしょう。しかし、タンタルはレアメタルの一種であることから、コスト高になってしまうのが難点です。
・タンタルの用途
タンタルは、航空宇宙産業や化学産業、電子産業などに適用されています。また、多くのデジタル機器に搭載されている「タンタルコンデンサ」に欠かせない素材です。半導体の回路基板では、銅の拡散を防ぐバリア層の形成にも利用されます。航空機のエンジンタービンブレードの製造においても、タンタルの高い融点と耐食性が活かされています。さらに、3Dプリンタでの積層造形、化学プラントや反応容器の製造、医療用の人工関節や歯科インプラントなど、応用範囲が非常に広い腐食耐性金属です。