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タングステン加工

タングステン加工ならアローズ

高融点材(モリブデン・タングステン・タンタル)を軸に一般金属からセラミックスまで『削る』・『切る』・『曲げる』・『繋げる』・『磨く』などすべてのあらゆる加工に対応しています。

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アローズの強み=高品質×低コスト

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タングステンとは

 タングステンはレアメタルの一つであり、体心立体格子結晶を持っています。また全ての金属の中で最も融点が高く、その温度は3,410℃と言われています。その上、熱膨張率が小さいことから、高温耐変形性に優れており、更には金属として比較的大きな電気抵抗を持っているため、2,000℃を超える炉のヒーター材料としても有効です。 更には、高速の電子線が照射されるとX線を発生させる特性も持っています。欠点は、その硬さから加工作業性が悪いとされておりますが、この卓越した特性を持ったタングステンに対し、アローズではあらゆる合金技術や加工方法でお客様のニーズに応えています。

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タングステン加工のポイント

タングステンやモリブデン加工
タングステン加工

タングステン切削加工

切削が難しい理由
タングステンは、あらゆる金属材料の中で最も融点が高く、卓越した耐熱性を誇ります。また、非常に硬度が高く、中でも炭素と結びつくことで生成される「炭化タングステン」はダイヤモンドに次ぐ硬度を持っています。さらに、比重が19.3と非常に重く、その重量は鉄の約2.5倍にもなります。以上の点から工具摩耗や破損といった懸念が多く、タングステンは切削加工が難しい素材です。

 切削加工の注意点ポイント

タングステンの切削加工には、超硬素材やサーメット素材の工具が適しています。超硬素材であれば、硬度や靭性のあるものを選定すると良いでしょう。

また、切削条件としては、荒加工時には湿式加工(切削油・クーラントを使用しての加工)、仕上げ加工時には乾式加工(切削油・クーラントを使用しない加工)を用いるのが適切です。仕上げ加工時に湿式加工を行うと、素材に対して工具が逃げてしまい、仕上げ面の精度を出すことが難しくなってしまいます。

タングステンは素材の硬度が高いため、急激な工具摩耗は避けられません。従って切削加工の際には、素早い加工と工具交換の見極めが重要です。

タングステン板金加工

金属タングステンは体心立体格子を有し、常温では非常に脆く硬度が高いため、曲げ加工と言われる板金加工作業は困難と言われています。しかし遷移温度以上に加熱することによって延性を帯びていき、加工性が上がります。
一方でタングステンを再結晶温度以上に加熱すると結晶粒子が成長し組織が肥大し、強度と硬度が著しく低下してしまいます。よって板金加工作業に推奨できる温度範囲は脆さ延性遷移温度以上であり、且つ再結晶温度以下の200℃~500℃程度を推奨しています。

  • 硬質なため、プレス加工は困難。専用の金型を作成し成形可能
  • レーザー加工も困難でクラックが発生し易い
  • 曲げ加工は常温では困難。ヒーター等で加熱し加工

タングステン接合加工

  • 形状等に制限はありますが、TIG溶接、電子ビーム溶接、レーザー溶接も可能。
    しかし溶接は非常に難しく、酸化させないように専用設備の雰囲気内での作業。また溶接後は高温なので、冷めるまでは大気にさらせません。前述の作業を施しても割れ等が発生する可能性が高い
  • 困難な溶接よりも「リベット留め」が安価
  • 材料によっては「ろう付け加工」も可能

タングステン材の製造工程

 タングステン粉末は均一な粒子に篩い分けされた後、棒や板など様々な形状、寸法に圧縮プレスされます。
次に、この圧縮成型品を約2,500℃の高温と高純度水素雰囲気中焼結していきます。そこで作られた焼結インゴットに対して、1,500℃~1,600℃程度の温度にて圧延・鍛造作業を繰り返します。この工程で密度や結晶構造を最適な状態に仕上げていきます。この様にして、棒材、板材、線材、箔などの材料製品を製造します。

タングステンの物理的特性

 タングステンは高融点と低熱膨張係数を有するため、高温に強く変形し難いという素晴らしい特性を持っている事から、真空工業分野において優れた特性を発揮します。加えて、高密度である事から、X線やガンマ線に対して高い吸収力を発揮します。非常に優れた性能を有していますが、加工作業性の悪さや重いと言った欠点があります。
こう言った欠点を補うために、ニッケル-鉄またはニッケル-銅のバインダーを使ったタングステン合金の製造も可能です。
タングステンの物理的特性
融点 K 3683
沸点 K 5930
密度(20℃) g/cm3 19.3
熱膨張係数 20℃ 10-6/K 4.36
20℃から1000℃ 4.67
20℃から2000℃ 5.33
20℃から3000℃ 6.37
比熱(20℃) J/g・K 0.13
比電気抵抗(20℃) Ω・mm2/m 0.055
熱伝導率 W/m・k 174

タングステンの化学的特性

 タングステンは多くの酸類に対して耐食性を有しており、フッ酸や王水でさえも常温ではタングステンを腐食さ せる事はほとんどありません。高温時にはO2、CO2、N2、H2Oおよび炭化水素と反応しますが、水銀蒸気及び水素とは反応しません。炭素とは1400℃付近から炭化物を形成、窒素とは2000℃以上で窒化物を形成します。塩酸、フッ酸、硝酸には比較的安定と言えますが、硝酸とフッ酸の混合液には激しく反応して溶解します。

タングステンの気体との反応

空気及び酸素 約400℃まで 安定
400℃以上 酸化物形成
700℃以上 WO3を形成
水蒸気 700℃以上 酸化反応
水素(H2) 超高温まで 安定
窒素(N2) 約2000℃まで 安定
2000℃以上 窒化物形成
不活性ガス類 超高温まで 安定
炭化水素(CnH2n) 900℃以上 炭化物形成
一酸化炭素(CO) 1400℃以上 炭化物形成
二酸化炭素(CO2) 1200℃以上 酸化物形成
二酸化硫黄(SO2) 700℃以上 酸化物形成

タングステンの炉材との反応

カーボン(C) 1400℃以上で接触 炭化物形成
アルミナ(Al2O3) 1900℃まで 安定
ジルコニア(ZrO2) 1600℃まで 安定
トリア(ThO2) 2200℃まで 安定
ベリリア(BeO) 2000℃まで 安定

タングステンの合金

ヘビーメタル

 タングステンを90%以上の主成分として、ニッケル-銅、ニッケル-鉄、モリブデン‐ニッケル‐鉄などで構成されたタングステン合金になります。構成する成分で磁性・非磁性を選べます。高密度である為、放射線を遮蔽する部品として力を発揮します。またタングステンと比べて加工性にも優れた材料です。この材料は航空宇宙、放射線治療、バランスウェイトなどの用途で使われています。

タングステンレニウム

 タングステンとレニウムの合金は、タングステンよりも高い再結晶温度を有している為、耐クリープ性が向上します。より優れた高温強度とともに、延性を高め溶接性も良好になります。3%以下のレニウム含有量ではタングステンの特性に与える影響はあまりありません。一般的なタングステンレニウムはW5ReやW26Reの比率を使用します。この材料はHIP炉用炉内部品や航空宇宙産業で使われています。

タングステン銅

 タングステンに、銅のより優れた冷却性能を添加した合金になります。ポーラスタングステンに10%~50wt%の銅を含侵させた合金です。耐高温性、耐プラズマ性、低熱膨張率など様々な性能を発揮します。この材料はセラミックパッケージ用ヒートシンクで使われています。

タングステントリウム

 微粒子のトリア(ThO2)を加え、均一な分布をさせる事により再結晶温度が向上します。その上、タングステンの電子活動機能を著しく低下させます。この材料は電子放射特性が要求されるランプ用電極などの用途に使われています。

樹脂タングステン

アローズでは、鉛の代替製品としてタングステン合金であるヘビーメタルを取り扱っておりますが、柔軟性や加工性が比較的悪いヘビーメタル以外で、鉛の代替製品として樹脂タングステンはいかがでしょうか。鉛と同等の密度、放射線遮蔽能力を有しておりながら、柔軟性や容易な加工性を有しています。シートやホース、パイプなど、お客様のご要望に応じたさまざまな形状をご用意致します。

樹脂タングステン シート

  標準タイプ 高強度タイプ 軽量タイプ 高弾性タイプ 効率的タイプ
密度(g/cm³) 6.25 6.25 4.6 4.2 11.6
引っ張り強度(Mpa) 8.7 13.4 8.1 13.6 5.9
300%伸び力(Mpa) 4.5 8.5 3.5 4.2
伸び率(%) 540 590 600 650 25
引っ張り強度(kN/m) 21 51 34 28 18
硬度(A) 55 68 60 63 95
重量(Kg/㎡) 6.25 6.25 4.6 4.2 11.6
鉛相当量(mmPb/mm) 0.5 0.58 0.55 0.37 1.15
長さ(m) 0~20
広さ(mm) 1~1200
厚さ(mm) 0.5~5

樹脂タングステン ホース
密度 g/cm³ ≤11.0
外径 mm/td> 3~20
成分 まずはご相談下さい
粒径 まずはご相談下さい
樹脂タングステン 原子力遮蔽用手袋
樹脂タングステン 原子力遮蔽用パイプ

タングステンの名前の由来

 タングステンは錫鉱石に付随されると、錫の精製を阻害します。中世の採鉱業者たちは、この錫鉱石中に含まれる未知のものを「狼のように錫をむさぼり食べる」ことからWolframと名付けました。ドイツでは今でもWolframと呼ばれています。また、スウェーデン語では「重い(heavy)石(stone)」を意味しています。

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