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ターゲット材
ターゲット材(スパッタリング材、アークイオンプレーティング材)
今やスマートフォン、薄型テレビ、ハイブリットカーといった最新デバイスの製造フローにおいて欠かせない技術となった薄膜加工技術。最先端の製造工程の要となる、超硬工具や生産ラインの量産用の金型、激しい摩擦に晒される摺動部品の表面改質に不可欠なターゲット材の提案を得意としております。その中でも、PVD方式(Physical Vapor Deposition)に使用されるターゲットを最も得意としており、アークイオンプレーティング法、スパッタリング法の両方式に対応しています。製品性能を向上させる為、お客様との共同開発にも積極的に取り組んでおりますので、圧倒的な価格でお客様のニーズを実現致します。
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こんな製品が得意です!!
チタン
主にTiN膜、TiC膜の形成に使用され、PVDコーティングにおいて最もポピュラーな膜となります。冷間成型用の切削工具やプラスチック成形用の金型等の機能膜から、黄金色の膜という色味を生かした装飾膜まで幅広い用途が特徴です。アローズのTiターゲットは、コストパフォーマンスと品質の共存を実現させます。
Material | Purity | Grain Size | Density | Process |
Ti | 99.7~99.95% | <150μm | >99.8% | Melting |
クロム
アローズのクロムターゲットは、主に窒化クロム(CrN)の形成に使用され、CrNは、耐摩耗性と硬質性能に優れ、主にピストンリング、タペットなどの自動車用エンジンの周辺パーツに多く採用されています。また近年注目されている、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングでは、カーボン層とコーティング母材の間のボンディング層としてCrターゲットが力を発揮します。また、装飾めっき用のスパッタリングターゲットにおいても使用され、非常に幅広い分野で使用される代表的な素材となります。
Material | Purity | Grain Size | Density | Process |
Cr | 99.5~99.95% | <150μm <100μm |
>99.8% | HIP |
チタンアルミ
TiAlN膜の形成に使われ、超硬やハイス材の切削工具の耐摩耗性能を向上させ、ライフを伸ばします。TiN膜では、硬度が2,000HV程度であるのに対し、TiAlN膜は硬度が最大で2800程度まで伸ばすことが可能です。また、耐熱性も向上も期待できます。特にハイス工具のマージン部の摩耗が抑えられ、再研回数を稼ぐことができます。TiNコーティングでは物足りない方、TiAlNターゲットの使用をお勧めします。
Composition | Grain size | Density |
Al-30Ti at% | <150μm | >99.8% |
Al-33Ti at% | <150μm | >99.8% |
Al-40Ti at% | <150μm | >99.8% |
Al-50Ti at% | <150μm | >99.8% |
Ti-25Al at% | <150μm | >99.0% |

アルミクロム
AlCrN膜を形成します。TiAl同様に切削工具コーティングで主に使用されますが、TiAlN膜は主に耐摩耗性が特徴的なのに対し、AlCrN膜は耐酸化性と高温下での安定性に優れています。工具の刃先は加熱と冷却を繰り返す過酷なヒートサイクルにさらされます。高温下での安定性をもたらし、確実に工具を摩耗から守るAlCrN膜の形成には是非弊社ターゲットをご検討ください。
Composition | Grain size | Density |
Al-30Cr at% | <100μm | >99.8% |
Al-40Cr at% | <100μm | >99.8% |
Al-50Cr at% | <100μm | >99.8% |

タングステンカーバイド コバルトフリー
タングステンカーバイドはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングの下地膜として使われています。最大のニーズは自動車用エンジン部品です。DLC(ダイヤモンドライクカーボン)のコーティングは、摩擦係数の低下が最大の効果になり、また高温安定性にも優れているので自動車用コンポーネントへの普及が急速に進んでいます。アローズでは、このタングステンカーバイドの製造工程において、バインダーレスを実現しておりますので近年の環境にも順応した形でご提供しております。

複合元素ターゲットもお任せください
近年では高性能化を目指し、複数元素ターゲットが主流となりつつあります。切削工具も金型も、コーティングの材質がその製品の性能を大きく左右致します。アローズでは、様々な元素添加に挑戦し、その元素の特性を最大限活かした新ターゲットの開発に取り組んでおります。お客様の御要望に沿って、あらゆる組成のターゲットをご提供することが可能です。まずはお気軽にお問合せください。

膜硬度の上昇
耐酸化性の向上
耐摩耗性の向上
結晶粒の微細化
ナノコンポジットの形成
耐酸化性の向上
耐摩耗性の向上
結晶粒の微細化
ナノコンポジットの形成
シリコン添加
コーティングを施した切削工具には高速化や高能率化が求められています。長年、切削工具コーティングの高性能膜として主流であったTiN膜やTiAlN膜ですが、最近ではシリコンを添加しTiSiN膜やTiAlSiN膜が注目されています。TiN膜やTiAlN膜に比べて、膜硬度、酸化開始温度が向上します。耐熱性が求められる高速加工、切削油を使わない環境に優しいドライ加工に適しています。このように、将来性が高いSi添加ターゲットも弊社の得意分野のひとつです。
イットリウム添加
微細構造をよりきめ細かく、且つ膜硬度を上昇させる際はシリコンを加えますが、耐酸化性向上を目的にする場合は、イットリウムやハフニウムを添加することが一般的です。チタンアルミやアルミクロムに添加します。
ボロン添加
高硬度を目的にする場合、ボロン添加が最適です。AlCrターゲットやCrターゲットに添加されることが多いです。また、スパッタ用ターゲットでTiB2ターゲットとして使用されることもあり、次世代の添加物として期待されています。
タンタル添加
TiAlN膜よりも更に熱安定性を向上させたい時に添加します。タンタル以外では、高融点金属と言われるニオブ、モリブデン、またはタングステンなどを添加します。